☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第132号  2025年5月26日

みなさんこんにちは。
別姓訴訟を支える会事務局です。

5月15日の東京地裁第4回期日にはたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました!

大法廷の傍聴席は2/3以上がうまり、その後の期日報告会はほぼ満席。
みなさんの熱気に原告、弁護団、支える会一同励まされました。

榊原富士子弁護士による、旧姓の通称使用の法制化に関する問題点解説、田中優子さんの応援メッセージも心に残るものでしたね。
「一般社団法人あすには」による「選択的夫婦別姓、事実婚の調査」結果では現在、58.7万人が「別姓待ち」とのこと。
これだけたくさんの人を幸せにできる法改正、諦めず訴え続けていきましょう!

当日の動画はこちらにアップしていますので、ぜひ振り返ってみてください。

原告、被告側から出されている書面はこちらからご覧ください。

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■ 東京地裁・第4回期日のご報告 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

みなさんこんにちは。弁護団の三浦です。
段々と暑くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

5月15日に東京地裁で第4回の期日がありましたので、その概要をご報告します。

今回は被告(国)側からの反論ターンで、4月30日付けで反論書面が提出されました。
その内容を要約すると、この問題は平成27年の大法廷判決、令和3年の大法廷決定でもう終わった話だとしています。
そして、令和3年の決定から大して時間が経っていないのだから、憲法判断の変更も不要というのが被告側のスタンスです。
こうした被告の応答は予想された内容ですので、原告側は次回期日までにさらに反論書面を準備します。

また、被告側からの反論書面を受けて、原告側は、期日前日の5月14日午前中に第10準備書面を急きょ提出しました。
これは条約に関する書面です。
私たちは当初から、強制的夫婦同姓制度は国際条約に違反していると主張しています。
日本が国際的に締結している条約の義務に照らすと、日本は自身の氏を維持して結婚できる制度を作らなければいけません。

しかし被告側の認否反論は非常にずさんで、例えばこちらが「条約の締結国は条約を遵守する義務がある」と指摘していた部分について「争う」というのです。
一体何のために条約を締結しているのか、条約の効力を理解しているのか疑わしい内容ですので、改めて「きちんと認否せよ」という内容を1ページで提出しました。
(ちなみに「認否」とは、裁判の中で「この部分は認める」「この部分は争う」と明らかにすることです。)

期日の中でもこの認否に関するやり取りが行われました。
裁判所より、被告側からは理由をつけて認否しなくてもよいという主張がなされていること、そういう態度の被告に認否を求めても審理の進行としても非効率であるとのことで、原告側から改めて条約に関する主張を展開し、なぜ認否する必要があるのかを記載するようにと伝達されています。

今後の審理計画についても確認をしました。

原告側が今後主張を展開するのは条約論に加えて、以下の三点です。

(1)先述のとおり、被告側からの主張は平成27年の大法定判決、令和3年の大法定決定を根拠に、再度判断する必要はないとのことです。
しかし、そもそもその最高裁の判断は危ういものでした。
また、その判断を前提にしたとしても、新しい調査結果など事情変更に資する様々な事実が明らかになっており、もう違憲判決を出さなければいけないですよね、という主張をします。

(2)いわゆる旧姓の通称使用の法制化の議論を念頭に、国や新聞社等が様々なアンケート調査を行っており、今回の被告側の書面でも、旧姓の通称使用の拡大を希望する人が多いという主張がされていました。
しかし、本件は、そもそも自分の姓を旧姓にしたくないというアイデンティティが問題の核心にあります。
旧姓の通称使用が拡大されても、「旧姓」となる以上、アイデンティティの喪失感の問題は解消しません。
また、そうしたアイデンティティの喪失感から、そもそも婚姻できないといった問題が発生しています。
旧姓の通称使用が拡大しても、それが仮に法制度化したとしても、根本的な問題解決にはならないことを主張します。

(3)原告以外からの陳述書も提出することも伝えました。
現在、弁護団では陳述書チームを編成して、選択的夫婦別姓制度が実現しないために被っている不安感、困難、アイデンティティの喪失感など、一般の方からの生の声を大量に収集しています。
それらを陳述書として取りまとめて提出し、社会全体としてこのような声があることを裁判所に理解してもらいたいです。

次回期日は2025年9月1日(月)午前11時です。
ぜひ傍聴にいらしてください!!

原告側の書面提出期限は8月15日、お盆期間と重なりますが、弁護団一同頑張ります

弁護士 三浦 徹也

■ 【もうすぐ締め切り!!】
「あなたの陳述書、裁判所に届け!動かせ!目指せ一万通大作戦!」━━━━━━━━━・・・・・・

≪選択的夫婦別姓を求める陳述書 大募集!!≫

第3次選択的夫婦別姓訴訟弁護団では、選択的夫婦別姓を求めるみなさんからの声を裁判所に届けるため、陳述書を集めています。

「陳述書」と聞くとついハードルが高く感じてしまうのですが、日ごろの想いを自然体で書いていただいたものでまったくかまいません。
ぜひ書いてください。

一人ひとりの声は小さくとも、たくさん集まることで大波となり、裁判所を動かします!
動かすのはあなたです!

【対象者】 法律婚、事実婚、未婚を問わず、どなたでもご応募可能です!

【内容】 数行程度でもかまいません。最大4000字。
氏名は人格権であり、現在の民法が定める夫婦同氏強制制度は人権侵害! 
たくさんの声を裁判所に届けましょう。

【詳細】 以下のサイトをご参照ください。
サイトリンクにあるフォームから直接応募可能です。

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【締切】2025年5月31日

【書き方のポイント】

日常的に不便である、困っているという説明だけでは、裁判官に事柄の深刻さ(人権問題であるということ)を分かってもらえない可能性があります。
裁判官は、この問題が人権問題であると認識すれば、憲法問題として考えてくれますが、困っているというだけでは対応してくれない可能性があるのです。
この問題が個人のアイデンティティや個人の尊厳の問題であること、つまり人権の問題であるということを、正面から書いていただければと思います。

また、「たまに」感じるだけでは、たいした喪失感ではないように裁判官に受け取られてしまう可能性があるので、役所、病院、銀行、子どもの学校、クレジットカード決済時、親族の集まり時などなど、戸籍姓での対応を迫られる場面は日常的に多々あり、
その度に、やるせなさや、やりきれなさだったり、不公平感だったり、諦めだったり、怒りだったり、絶望感だったり、色々な感情がわきあがり、それと日々なんとか折り合いをつけようとして生きている、でもつけられない、といったような、
アイデンティティの喪失感の日常性と、具体的にどんな感情が生じているのかが感じられるような記載があると伝わりやすいと思います。

さらに、例えば改姓による苦痛(職場で戸籍姓で呼ばれることによる苦痛)で心身のバランスを崩して職場も辞めたというような、喪失感の大きさが客観的にあらわれている記載も、分かりやすいのではないでしょうか。

このように、それが人権の問題であることを明示すると共に、ご自身の経験や思いについて、継続性・具体性・客観性があると、裁判官に人権の問題であることが伝わりやすいと思います。

【書き方の例】

陳述書例1(長いバージョン)
https://bessei.net/wp-content/uploads/2025/03/%E8%A8%98%E8%BC%89%E4%BE%8B1.pdf 

陳述書例2(中間バージョン)
https://drive.google.com/file/d/18whqEF_iC2oPUsacXHdLSlq6KdB0Snsl/view?usp=drive_link

陳述書例3(短いバージョン)
https://drive.google.com/file/d/1NHv2pTxtYNRs1q2_85z4JoNTTf_sXlFm/view?usp=drive_link

※ご質問などありましたら、遠慮なくこちらまでメールください。
bessei2018@gmail.com

■ ユース団体による陳述書を書いてみよう!イベントのご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

「『姓を選ぶ』って?いまこそ選択的夫婦別姓を学ぼう、考えよう、語ろう」

SRHRユースアライアンスは、「別姓訴訟を支える会」から、第三次選択的夫婦別姓訴訟の原告の皆さまや弁護団をゲストに、選択的夫婦別姓の課題や社会の動きについて学んで、意見を自由に語り合うイベントを開催します!

https://www.instagram.com/p/DJsSiJKTolh/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

陳述書の書き方についても解説。
行政や司法に自分の意見を届けませんか?

☆開催日時:5月31日(土)10:00~11:45
☆参加方法:オンライン(カメラOFFでも大丈夫です♪)
※お申込みいただいた方に、開催前日までにZoomリンクをご案内します。
☆参加費:無料

【お申込み】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSezkFboa6KPkcfFDu-shln2vrHOzIOxTPcwqpdo7Fcd4ycl6Q/viewform

〇主催:SRHRユースアライアンス、別姓訴訟を支える会
〇後援:一般社団法人あすには
〇対象:ジェンダー平等・SRHRに関心のある方、選択的夫婦別姓に関心がある方など

*********************
「結婚したら相手の姓にしたい!」「自分の名前で結婚したい」
「結婚しても自分の名字のままで仕事もしたいし、書類手続きをするの大変だし…」
「自分の名字が気に入っているけど、一般的には男の人に合わせないといけないのかな」
「選択的夫婦別姓が実現したら、子どもの姓はどう決めるの?」

いろんな意見・考えがありますが、今の日本はどちらかの名字しか選べないですよね。
しかし最近話題になっている「選択的夫婦別姓」という言葉を知っていますか?
選択的夫婦別姓制度とは、婚姻時にそれぞれの姓を名乗ることを選択できる制度です。2024年に開かれたCEDAW(女性差別撤廃委員会)からも選択的夫婦別姓制度に関する4回目の勧告が出るなど、SRHR・ジェンダー課題としても国際的に後れを取っており、実現に向けた議論が続いています。

SRHRユースアライアンスのメンバーと身近な社会課題に触れ、ともに語り合いましょう!
ここでしか手に入れられない新しい考え方や、知識を手に入れられるチャンスです。
選択的夫婦別姓を知っている方も、そうでない方も、お気軽にご参加ください!

■ 札幌地裁・第3回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

日時:2025年6月11日(水)10時30分~11時(予定)

場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷)

☆期日終了後、期日報告会を行う予定です。
詳細は追ってお知らせします。

■ 東京地裁・第5回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

日時:2025年9月1日(月)11時~

場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷)

☆期日終了後、期日報告会を行う予定です。
詳細は追ってお知らせします。

■ 支える会の連載公開中━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・ 

別姓訴訟を支える会では「全国保険医団体連合会」が発行する「全国保険医新聞」という、主に医師・歯科医師向けの業界紙に連載を持っています。
原則、会員のみの限定公開なのですが、現在、連載部分を公開してくれていますので、ぜひご覧ください!!

■ クラウドファンディングに引き続きご協力ください!! ━━━━━━━━━━・・・・・・ 

「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングはおかげさまでファーストゴールを達成しました!
とはいえ、長い裁判期間、報告会の配信を継続し、イベント実施なども考え、セカンドゴールを設定しました。
セカンドゴールは1000万円です。
引き続きご協力いただければ幸いです。
訴訟中はいつでもご寄付いただけますので、よろしくお願いいたします。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000131

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