支える会へ寄せられた声

別姓訴訟を支える会に寄せられた声をご紹介いたします。

民主党が夫婦別姓をマニフェストに掲げて政権を取った頃に結婚し、 夫婦別姓を選べるようになったら元の姓に戻す約束をして一旦夫の姓にしましたが、 結局、夫婦別姓制度は実現されませんでした。 思い余って「籍を抜きたい」と夫に告げましたが 「せっかく結婚したのに悲しい」と言われて決行できず、 そのうちに夫の姓で私を認知する人が公的にも私的にも増え、 今は元の姓に戻すことも躊躇されます。 夫の姓には愛着を持てず、元の姓はどんどん自分から遠ざかる、私は苗字を喪失したと感じます。 こんな悔しい想いをする人が日本からいなくなるよう、 是非、夫婦別姓制度を実現させてほしいと思っています。

妻と結婚するにあたり、当初は何のてらいもなく互いの姓で夫婦として暮らせたら良いと思っていました。妻から話を切り出された時は、わたしも大賛成だったのですが、それでは婚姻を認められないことを初めて知り、少なからず驚きました。 やはり互いの姓と名で生きてきた積み重ねがあり、その上で結ばれたことを大事にしたいと思います。国として個人のアイデンティティーを尊重していない制度は、改めてほしいと思います。 選択的夫婦別姓を求める裁判と支える会の活動に期待します。

私と夫は2001年に結婚式をあげましたが、お互いに姓を変えずに結婚することを望み、事実婚となっています。生来の姓名で築いてきた実績や人とのつながりを、結婚後もそのまま継続してほしいと思ったからです。

私の名前は両親が姓とのバランスを考えて名付けてくれ、この「姓名」が私を表す名前となっています。現在看護師として働いていますが、各種の免許は戸籍名となるため、仮に改姓しても多くの職場で旧姓を通称として使用することができません。

子どもについては、双方の希望で父親の姓の婚内子とするため、出産前に婚姻届を提出し、出産後はやむなく書類上離婚届を出すという形をとりました。私たちは法律婚の夫婦と同様に、生活を支え合い、家族の命や人生に愛情と責任をもちたいと考えていますが、事実婚では夫婦間や子どもについての法的な権利や保護が及ばないことが多々あります。

選択的夫婦別姓は、若い夫婦だけでなく熟年・老年結婚の夫婦においても改姓に伴う手間や経済的負担なく、一人の人として姓名を変えずに生きていくことができる選択肢です。これからの社会にとっても必要な選択的夫婦別姓制度の実現に向けて、一歩一歩進めていきたいと思います。

40代の夫婦です。氏を変えたいと思えない、現在の氏を仕事上使用した方が良いことなどが理由で別氏を選択しました。仕事で旧姓を使用できることは知っていますが、私たちはどうしても通称への違和感がありました。結婚して9年になります。日常生活を送る上で苦労するようなことはありません。ただ、保険の契約をする時に夫婦が法律上は他人なので受取人になれない、賃貸住宅を契約する時に親族とみなされないので保証人になれない、扶養控除を受けられないなどはかなり大きな問題でした。法律婚すればいいだけじゃないか?と言われますが、“信条”を法律に合わせるということは私たちにとって難しいことなのです。(大学教員・男性)

自分は何者であるのか。その要素のひとつが名前(姓名)とだと思います。

私は結婚生活において、お互いの違いやそれぞれが大切に思うことを尊重したいと思っています。ですから、自分が大切だと思う名前を法律婚によって失いたくないし、相手が望んでいないのに失わせることもできません。したがって、事実婚という状態を続けていますが、それを望んでいるわけではありません。

何かを選択するとき、その選択に選択肢があるかないかでは意味が大きく異なると思います。私たちとこれから結婚を考えるすべての人に別姓という選択の自由が与えられることを願っています。(会社員・女性)