夫婦別姓をわかりやすく解説

選択的夫婦別姓とは、どんな制度ですか?

今の日本の法律では、結婚する時には、例外なく夫婦の姓(氏)を1つに統一しなければならず、カップルのそれぞれが自分の姓のまま結婚したくてもできません。選択的夫婦別姓とは、同姓を希望する夫婦は同姓で、それぞれの姓を名乗り続けたい夫婦は別姓で結婚することを認め、当事者が同姓か別姓かを選ぶことのできる制度です。

事実婚や通称使用では不十分な理由を教えてください。

事実婚は、夫婦の実態はあっても、法律上の夫婦ではありませんので、相続、未成年の子の共同親権者になれるか、医療同意ができるかなど、人生の大事な場面で不利な扱いを受けています。また、通称使用が認められていない職場もまだ少なくなく不安定で、戸籍姓と通称の姓という2つの姓の使い分けはとても煩雑です。

夫婦の姓が別になると、子どもの姓はどうなるのですか?

選択的夫婦別姓を採用する諸国の子どもの氏の法制は以下のように様々です。

​・父又は母の氏:デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オランダ、リトアニア他

・父又は母の氏、あるいは「母の氏+父の氏」の結合氏も可:フランス、スウェーデン、ポルトガル、ギリシャ他

・父の氏:タイ、セネガル他

・父の氏を基本にしながら、「母の氏+父の氏」の結合氏も可能:ブラジル

・結合氏:スペイン、コスタリカ、チリ他

​複数の子どもがいる場合、子の氏を統一する国もあれば、統一を要しない国もあります。1996年に法制審議会が示した民法改正案は、夫婦別姓を選ぶ夫婦は、結婚時に子どもの姓を夫婦で決めて届け出ることとされています。その結果、原則としてきょうだいは同一の姓になることになりますが、特別の事情のあるときは、家庭裁判所が、一方の親の氏から他方の親の氏へ変更することの許可を出すことができるとされています。

世界的に見て、夫婦同姓は一般的なのですか?

法律で夫婦同姓しか認めないと定めている国は、世界の中で日本しかなく、同姓・別姓・結合姓などの選択肢がもうけられているのが一般的です。日本では、妻が改姓する割合が95.5%に上っています(2019年現在)。国連の自由権規約委員会や女性差別撤廃委員会は、日本政府に対し、2003年以来、夫婦別姓の選択肢をもうける民法改正を行うよう何度も勧告しています。

​夫婦別姓を選択すると、戸籍はどのようになるのでしょうか?

子どもの姓の問題と同じく、色々な戸籍の形がありうると思います。例えば、1996年に民事行政審議会が示した答申では、別姓夫婦とその子も、同じ戸籍とすることが提唱されました。戸籍での記載の順序は、①子が称する姓として定めた姓を称する者、②その配偶者、③子の順とされています。また、現行の戸籍では名前のみが記載されている欄に、氏名を記載することが示されました。

一例ですが、過去、国会の場で取り上げられた戸籍の形態です。

​選択的夫婦別姓について、世間の考え方はどうでしょうか?

内閣府は、1996年から5年ごとに「家族の法制に関する世論調査」を実施しています。2017年の調査では、選択的夫婦別姓制度への賛成は42.5%、反対は29.3%。賛成の割合は過去最高、反対の割合は過去最少です。特に結婚が身近な世代である40歳未満では、賛成は5割を超えています。選択的夫婦別姓は日本社会にも受け入れられているといえるのではないでしょうか。

​早稲田大学法学部・棚村政行研究室と、市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が実施した合同調査では、70.6%が選択的夫婦別姓に対して、賛成しています。

​姓が別々だと、家族がバラバラになりそうで心配です。

家族の一体感のために姓が大切と思う夫婦は、今までどおり、夫婦同姓を選択することができます。ちなみに、世論調査では、夫婦別姓だと家族の一体感(きずな)に影響が出てくるかとの問いに対して、影響があると答えた人は31.5%、ないと答えた人はその倍の64.3%でした(2017年)。多くの方は姓が同じか否かと家族の一体感は関係がないと考えているようです。

すでに別姓を実践している方々の意見をご覧ください。