みなさんこんにちは。
別姓訴訟を支える会事務局です。
東京地裁第5回期日、大変暑い日でしたが、傍聴、報告会にはたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました!
入廷行動への応援も回を追うごとに長い列となり、傍聴席はほぼ満席、報告会は配布資料がなくなりそうなほどでした。
ゲストスピーカーの宮子あずささんの応援メッセージにも大変励まされました。
以下抜粋します。
「反対論はデマと屁理屈と陰謀論!」
「(改姓を強いられた方は)恨みがたまるんですよ。
恨みってすごいですよ、人間の。
恨みってすごく強い感情なので、他の感情を凌駕しちゃうんですよ。
うれしいとか 悲しいとかもなくなっちゃう。」
「差別をする人ってすごく不自由なんですよ。
自分が差別をするから、常に自分も差別されることに怯えてる。」
とても真理をついていて、私は涙してしまいまいした。
全編はぜひこちらの動画をご覧ください!!
■ 東京地裁・第5回期日のご報告 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
今回も多くの支援者にお集まりいただき、ありがとうございました!
弁護団はこの期日のために、3か月をかけて、第11準備書面~第19準備書面という大量の書面を作成・提出しました。
証拠も大量に提出し364点に達しています。
弁護団内で協力しながら、準備を重ねて提出にこぎつけました。
各書面はこちらからご覧ください。


それぞれの書面内容をまとめ、法廷で寺原弁護団長が陳述をしましたが、以下に簡単に説明いたします。
【第11準備書面(憲法13条:個人の尊重)】
・氏名はアイデンティティそのものであり、変更を強制されない自由は憲法13条で保障される。
・氏名は他者との共同生活において識別・承認を受けるためのつなぎ目である。
・夫婦同姓制度はその自由を侵害しており、とりわけ女性の生き方を画一化している。
・民法制定当時は「男性は外で働き、女性は家庭」という前提があったが、現代は違う。女性の社会活動を想定していない制度は、個人の尊重に反する。
・過去の最高裁大法廷判決は「弱い判例」であり、事情の変化を踏まえれば変更すべきである。裁判官の男女構成比が違えば、経験則も異なる。
【第12準備書面(憲法14条1項:法の下の平等)】
・女性差別的な慣習がある場合、それを排除する義務が国にはある。
しかし夫婦同姓制度は、妻が改姓することを固定化・助長している。
・「協議の結果で選んでいるだけ」という被告の主張は現実を無視。実際には圧力や慣習により、妻が改姓せざるを得ない状況が続いている。
・国は95%以上の妻が改姓している現状を知りながら放置しており、これは差別を容認していることになる。
【第13準備書面(憲法24条1項:婚姻の自由)】
・国には、婚姻を希望する者に法的保護を与える義務がある。
・婚姻制度は個人の自由・平等な意思に基づくべきであり、夫婦同姓の強制はそれを侵害している。
・東京訴訟の原告5組のうち、4組は事実婚。婚姻の自由が直接的に制約されている。
残り1組も妻のみが改姓しており、夫婦の平等が保障されていない。
・憲法より下位の法律で婚姻制度を規定している現状は誤りであり、憲法違反である。
【第14準備書面(憲法24条2項:個人の尊厳と両性の平等)】
・事情変更により、現状の夫婦同姓制度は24条2項違反。
事情変更の基準時は民法制定時である。
過去の事例(婚外子差別)でも、制定以来の変化を考慮して判例変更が行われている。
・世論調査の扱いについても、単純な多数決ではなく「憲法による個人の尊厳、法の下の平等」というフィルターを通して評価すべき。
・今年3月の同性婚訴訟の大阪高裁での判決において、「国民感情が一様でないことは同性婚を法制化しない ことの合意的理由にはならない」と述べられている。
【第16準備書面(社会的状況・意識の変化)】
・世論調査では、2択設問なら6~8割が賛成、特に20代30代女性では8~9割が賛成。
・内閣府やNHKの「3択調査」は回答者が高齢者に偏り、設問も誘導的で信頼できない。
・旧姓の通称使用に賛成する人の多くは、同時に選択的夫婦別姓制度導入にも賛成しており、被告の解釈は誤り。
・内閣府世論調査は「子どもに悪影響がある」という設問を先に提示してから選択的夫婦別姓に賛成するかを問うており誘導的かつ差別的。
・事実婚カップルの調査では、「別姓が導入されれば婚姻したい」と答える人が多数。
【第17準備書面(通称使用の拡大の限界)】
・自民党の一部議員や日本維新の会が提案する「通称使用の法制化」では根本的な解決にならない。
【第19準備書面(条約関連)】
・第1次訴訟では「女性差別撤廃条約違反」を主張したが、裁判所は「自動執行力がない」として内容を審理しなかった。
第2次訴訟以降は自由権規約23条なども主張し、条約適合性を問う形で進めている。
・条約適合性審査において主観的要件・客観的要件は不要である。
・裁判所は条約適合性審査を行う義務がある。
・女性差別撤廃委員会が昨年10月に民法改正に関して4度目の勧告を出した。
・氏を選択し又は変更する権利はプライバシー権として自由権規約17条によって保障される。
今回の提出書面への反論について、被告側は3か月時間がほしいということで、12月1日が期限となりました。
また、裁判もだんだんデジタル化されており、来年5月以降は基本的に「mints(ミンツ:民事裁判書類電子提出システム)」というシステムを使って書面を提出することになっています。
現在過渡期ではありますが、今後はシステムを利用してくださいという裁判長とのやり取りがありました。
さぁ、被告側はどのような反論をしてくるでしょうか。
次回期日は12月18日(木)11時となりましたので、また足をお運びください!
■ 東京地裁・第6回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
日時:2025年12月18日(木)11時~
場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷)
https://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html
☆報告会等、詳細が決まりましたらお知らせいたします
■ 札幌地裁・第4回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
日時:2025年10月1日(水)11時~
場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷)
https://www.courts.go.jp/sapporo/about/syozai/sapporomain/index.html
【当日の流れ】
☆10時45分~入廷行動
横断幕を持って、原告や弁護団、支援者が地裁入口まで歩きます。
みなさま、マイ小旗を持って沿道で応援してください。
☆11時~11時30分(予定)期日
※期日に先立ち、原告から、被告の主張に対する反論を記載した書面を提出しました。
期日では、提出書面の補足説明と、次回期日以降どのような主張・立証を行うかを弁護団が述べる予定です。
☆12時~13時 期日報告会
場所:北海道高等学校教職員センター4階大会議室(札幌市中央区大通西12丁目)
https://map.yahoo.co.jp/v2/place/Rj8KZDQHNnc
※期日報告会では、弁護団から提出書面についての解説、札幌訴訟原告・東京訴訟原告からのコメント、ゲストスピーカー(道議会議員、フランス人研究者)からの応援メッセージ、質疑応答・意見交換を行う予定です。
※以下のリンクからライブ配信を視聴できます。
https://www.youtube.com/live/FMOmwI0Sm9g
■ 支える会の連載が冊子になりました!!━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
別姓訴訟を支える会では2023年から「全国保険医団体連合会」が発行する「全国保険医新聞」という、主に医師・歯科医師向けの業界紙に「選択的夫婦別姓」の連載を担当し、6月に全20回を終了しました。
選択的夫婦別姓制度の基礎知識から、第1次~第3次訴訟の原告や支える会メンバーの想い、国会での動向の最新情報までを幅広くカバーする、非常に興味深い内容です。
この度、全国保険医団体連合会の許可を得て、連載内容を冊子化いたしました。
札幌の期日報告会参加者に配布しますので、どうぞお楽しみに!!
連載は以下のサイトからも読むことできます。
■ クラウドファンディングに引き続きご協力ください!! ━━━━━━━━━━・・・・・・
「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングはおかげさまでファーストゴールを達成しました!
とはいえ、裁判所から判断を得るにはまだ時間がかかることから、各種活動を継続するためにセカンドゴールを設定しました。
セカンドゴールは1000万円です。
引き続きご協力いただければ幸いです。
訴訟中はいつでもご寄付いただけますので、よろしくお願いいたします。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000131

