☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第144号  2026年1月13日

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
別姓訴訟を支える会事務局です。
2025年は「もしや判決前に法改正が実現するのでは!?」と期待が高まった一方で、その後の国会や内閣の動き、選挙結果に落胆し、気持ちの変動が激しい年でしたね。
でも「だからこそ、この裁判で必ず勝たなければ!」と、私たちの決意をさらに強くしてくれた年とも言えます。

激動の2025年を、インスタグラムでぎゅっと凝縮して振り返りました。
ぜひご覧いただき、2026年も、ともに前へ進んでいきましょう。
https://www.instagram.com/p/DS6281rj2j0/?img_index=6&igsh=MWE0NnhrcGJjbHV6NA==

改めまして、12月18日の東京地裁第6回期日には、たくさんの方に応援いただき、ありがとうございました。
今号では期日報告をいたします。

■ 東京地裁第6回期日のご報告 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

まず、今回の期日では、人事異動のため、前回までの品田裁判長から、衣斐裁判長に交代しました。
裁判体が変わったため、手続きとして、「弁論の更新」をします。
「従前の通り主張します。」という儀式的なものですが、これによって、これまで提出した主張や書面はすべてそのまま引き継がれることになります。

続いて、被告である国側から「準備書面(4)」が提出されました。
国側の代理人は「この書面の内容どおり陳述します」と述べ、特段の追加説明はありませんでした。

その後、裁判所から原告側に対して、今後、どのようなスケジュールで進める予定かという確認がありました。
これに対して原告側からは、国の書面に対する反論や、社会状況や実態を示す書面、原告や一般の人たちから集めた陳述書を提出することを説明しました。
これらを踏まえ、次回期日は3月18日、午後2時からと指定されました。

また、原告側からは、裁判長交代を踏まえて「関心があれば補足的な書面も提出できます」と伝えましたが、裁判長は終始ポーカーフェイスで「提出されたものは真摯に検討します」という回答に留まりました。

さらに、原告の本人尋問(法廷での直接の証言)も検討していることも伝えましたが、これについても裁判長は「ご意見は承知しました」と述べるのみで、可否については明言しませんでした。

今後、東京で本人尋問が実現できるかどうかが、大きなポイントになります。
以上が、期日の概要です。
今回は5分で終了しましたが、基本的に民事訴訟は書面でのやりとりが事前にされており、法廷では日程調整をすることがメインですので、このような期日もごく普通のことです。

期日報告会では、国側が提出した「準備書面(4)」について、寺原弁護団長が解説しました。
結論から言うと、原告側が前回提出した大量の書面に対して、反論は非常にあっさりした内容でした。
憲法論以外、 社会状況の変化、通称使用の限界、条約論などについては、ほぼ無視しています。
裁判所からは、「原告側が提出した9通の書面すべてに対する国の反論が、この1通だけなのか」とまず確認されたほどです。
国側は「そのとおりです」と回答しました。

前回期日において原告側が提出した書面は以下のとおりです。
第11準備書面(憲法13条違反について)
第12準備書面(憲法14条1項違反について)
第13準備書面(憲法24条1項違反について)
第14準備書面(憲法24条2項違反について)
第15準備書面(違憲となった時期/国賠法上の違法性について)
第16準備書面(社会的状況及び意識の変化2)
第17準備書面(通称使用の拡大や法制化では解決しないこと)
第18準備書面(地位確認・違法確認について)
第19準備書面(条約)

それに対して、国側が反論として提出した「準備書面(4)」は以下のような構成です。(少ない!)
第1 はじめに
第2 本件各規定が憲法13条に違反するものではないこと
第3 本件各規定が憲法14条1項に違反するものではないこと
第4 本件各規定が憲法24条1項に違反するものではないこと
第5 本件各規定が憲法24条2項に違反するものではないこと
第6 結語

国の書面について簡単に解説していきます。
【「第1 はじめに」について】
国は、2015年の大法廷判決及び、2021年の大法廷決定において審理が尽くされており、「判例変更は慎重であるべき」と述べています。
しかし書面を読む限り、「慎重に検討する」というより、
 「既に合憲判断が2回出ているのだから、変える必要はない」
 という前提に立っているように見えます。

慎重に検討することは、判断を変えないことではありません。
思考停止している状態です。
また国は、「2021年以降の事情」を中心に考えるべきだと繰り返しますが、 原告側は、1947年の現行制度成立以降、社会が大きく変化していることを問題にしてきました。
この点について、国からの反論はなく、自説を強弁しています。

参考として、婚外子法定相続分差別違憲大法廷決定(2013.9.4)、生殖腺除去要件違憲大法廷決定(2023.10.25)も、制定時からの事情を踏まえて判断しており、最高裁の過去の判断基準からしてもおかしいと言えます。

【「第2 本件各規定が憲法13条に違反するものではないこと」について】
原告側は、氏名は人格の核心であり、変更の強制は人格権侵害だと主張しています。
これに対し国は、
 「2015年の最高裁で、氏の変更は憲法上の権利ではないと判断されている」
 「性別変更要件の違憲判決とは事案が違う」
 と簡単に退けています。

しかし、2023年の生殖腺除去要件違憲大法廷決定では、最高裁は「自ら選択した結果だから許される」とはせず、 過酷な二者択一は違憲と判断しました。
 この点から見ても、国の主張は最近の最高裁の考え方と一致していません。

【「第3 本件各規定が憲法14条1項に違反するものではないこと」について】
原告側は、
 「実際には女性が改姓するという強い社会的圧力がある」
 「統計データもそれを裏付けている」
 と主張してきました。

これに対し国は、
 「婚姻届に記載している以上、自由で対等な協議があったと推測できる」
 と述べています。
しかし、届出があるからといって、その裏に必ず自由で対等な話し合いがあったと推測するのは、現実とかけ離れていますし、統計や実態とも合いません。
また、制度自体が差別的な意識を温存しているという指摘に対して、国は直接の反論をしていません。

【「第4 本件各規定が憲法24条1項に違反するものではないこと」について】
国はこれまでと同様に、
 「憲法24条の『婚姻』とは、現在の法制度に基づく婚姻を指す」
 と主張しています。

しかし、問題にしているのは、その現在の法制度自体が憲法に反しているかどうかです。
「今の制度に含まれているから合憲」というのは、憲法より法律を上に置く議論で、明らかにおかしいと言わざるを得ません。

原告側は、この点について多数の質問(求釈明)を行いましたが、国からの回答は一切ありませんでした。

【「第5 本件各規定が憲法24条2項に違反するものではないこと」について】
国は、
 「制度のあり方は複数考えられる」
 「国会で議論されているから、司法が判断すべきではない」
 と述べています。

しかし、まず判断すべきなのは、現行制度が憲法違反かどうかです。
その後に、具体的な制度設計を立法で検討すべきであり、両者を混同しています。
また、1996年にはすでに法制審議会の答申も出ていますが、その存在にも触れていません。
国会審議についても、実際には進んでいない現状を悪利用しており、「国会で議論しているから待て」という主張は、現実を見ていないと感じざるを得ません。

まとめると、今回の国の書面は、

●ほぼ平成27年大法廷判決及び令和3年大法廷決定のコピペであり、思考停止。

●社会の変化、通称使用の拡大や法制化では解決しないこと、条約論等への反論がないだけでなく、憲法論についても原告らの主張のうち都合の悪い点(反論が困難な点)は無視。

●数少ない反論も、その内容は、婚姻届への記載をもって自由かつ対等な協議が成立したとみなす、国会での審議という事実を悪利用して合憲の根拠とするなど、不当かつ不誠実。

であり、 過去の最高裁判断の繰り返しが中心で、社会の変化や原告の核心的主張にはほとんど答えていない内容でした。

今後は、
●国の書面への反論(主に憲法論)
●夫婦間で実際にどのように氏の協議が行われているかの実態調査
●原告本人や原告のお子さん、応募による陳述書の提出
●官民アンケートやCALL4等に寄せられた声
●家族の多様化を示す客観的データ

などを順次提出していく予定です。

そして何より、原告本人が法廷で直接声を届ける「本人尋問」を実現させ、裁判官に当事者の思いをしっかり受け取ってもらいたいと考えています。
引き続き、応援をよろしくお願いします。

※書面はこちらから見ることができます。
https://bessei.net/3rd_trial/

※当日の期日報告会アーカイブはこちらから
https://youtube.com/live/plfCBc-14sw

※原告などの振り返り動画はこちらです。
(視聴、高評価をお願いします!)
https://youtube.com/shorts/_wrh_NxaX1s
https://youtube.com/shorts/U3llCTNVhLs
https://youtube.com/shorts/PwvqeOAkXwo

■ 札幌地裁・第5回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

日時:2026年1月23日(金)11時~

場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷)
https://www.courts.go.jp/sapporo/about/syozai/sapporomain/index.html

原告の佐藤さん、西さん自ら、期日のご案内です!
https://youtube.com/shorts/EaPaPa6hXWg

【当日の流れ】
☆入廷行動 10:40頃~
原告、弁護団などが札幌地裁前まで、いつもの横断幕を持って歩きます。
沿道でぜひ応援してください!小旗を差し上げます。

☆期日 11:00~11:30(予定)
国側が反論書面を提出するターンため、口頭での意見陳述はほとんどなく、次回期日の日程調整と今後の流れの確認がメインになると思われます。

☆期日報告会 12:00~13:00
場所:札幌弁護士会館5階ABC(札幌市北1条西10丁目)
https://satsuben.or.jp/info/access.html
※いつもと報告会会場が違いますので、ご注意ください!!

ゲストスピーカー:札幌市議会議員 篠原すみれさん

※期日報告会の同時配信もあります!
遠方の方はこちらからどうぞ。
https://www.youtube.com/live/beCcOYQHM_I?si=wy1qMC-y8wkz_tP-

■ 東京地裁・第7回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

日時:2026年3月18日(水)14時~

場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷)
https://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html

※期日終了後、近隣施設にて期日報告会を行う予定です。
日程が近づきましたら、詳細をお知らせいたします。

■ 絶対に違憲判決を!!~クラウドファンディングに引き続きご協力ください!! ━━━━━━━━━━・・・・・・ 

「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングはおかげさまでファーストゴールを達成しました!
とはいえ、裁判所から判断を得るにはまだ時間がかかることから、各種活動を継続するためにセカンドゴールを設定しました。
セカンドゴールは1000万円です。

現政権では選択的夫婦別姓導入が期待できない以上、ますます訴訟の重要性が増していますので、みなさまの想いを、私たちにどうか託してください。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000131

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