みなさんこんにちは。
別姓訴訟を支える会事務局です。
今回は、札幌での裁判を担当している山田弁護士、寺林弁護士の紹介と、原告の佐藤万奈さん、西清孝さんの初回期日の感想をお伝えします。
■ 札幌弁護団・山田弁護士の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
はじめまして。山田暁子と申します。
今年の3月に提訴した第3次訴訟から弁護団に参加しました札幌の弁護士です。
弁護団では新人ですが、弁護士になって24年目です。
第1次訴訟、第2次訴訟の時は、最高裁の合憲判断に、弁護士としても個人としてもとてもがっかりしました。
私自身も、当事者の一人だったからです。
私は、結婚したときには事実婚を選択しました。
「山田」という平凡な姓には、子供の頃はどちらかと言えば残念な思いを抱いていて素敵な姓に変えることを夢見たこともあったのですが、妻が夫の姓に変えるのが当たり前という男女不平等な考えには賛成できず、さりとて夫を私の姓に変えさせたいわけでもなかったからです。
お互いの姓を尊重し、対等な関係でいたいという気持ちもありました。
でも、子どもが生まれるときに、私も夫も子供と同じ姓がいいと思っていたので、「無難な選択」として夫の姓に改姓する選択をしました。
話し合って決めた結論ではありましたが、妻が改姓する方が「無難」となってしまう社会や、夫側に改姓のストレスや通称使用の不便さについての当事者意識が皆無なことについて不公平だと感じてきました。
弁護士は、職務上氏名として旧姓を使用することができ、私もその制度を利用しています。
依頼者や裁判所との関係では、ほぼ問題なく職務上氏名で仕事をすることができます。
しかし、完璧ではありません。
官公庁や金融機関では戸籍名の使用を求められることがあり、非常に不便です。
例えば、ゆうちょ銀行では戸籍名でしか口座が作れませんし、クレジットカードも戸籍名でしか作れません。
私は、弁護士として離婚事件を多く扱っていますが、2回以上結婚をした場合、戸籍の筆頭者になっている側(多くは男性)は戸籍も姓も移動はありませんが、姓を変えた側(多くは女性)は3回も姓が変わり、戸籍もあっちへ行ったりこっちへ行ったりになります。
姓に限らず、家庭内には男女不平等が多く残っていると感じます。
こうした経験から、札幌で佐藤さん、西さんが提訴するので弁護団に入らないかと声をかけていただいたとき、即座にやりたい!と思いました。
弁護団に入り、佐藤さん、西さんを始め、東京訴訟の原告の皆さん、別姓訴訟を支える会の皆さん、弁護団の弁護士が、本当に熱心にこの問題に取り組んでいることを知り、感謝と尊敬の念で一杯です。
今、政治が動いているので、これまでの活動が実を結び、早く法改正が実現して選択的夫婦別姓が認められることを願う一方で、最高裁が、夫婦同姓の強制が人権侵害で憲法違反であることをきちんと判断してほしいとも願っています。
そしてそれが、日本社会に根強く残る男女の不平等を解消する一歩にもなってほしい、とも。
私も、そのために頑張りたいと思います。
札幌訴訟、いよいよ始まりました。
第1回期日の様子は、「原告は見た!能面裁判長VS暴れ馬野口弁護士+ロデオ三浦弁護士」(前編・後編)をぜひお読み下さい。
引き続き、応援よろしくお願いいたします!!
弁護士 山田 暁子
■ 札幌弁護団・寺林弁護士の紹介 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
<寺林智栄自己紹介>
北海道札幌市出身。2007年弁護士登録。
愛知、東京で弁護士経験を積み、2022年11月から故郷の札幌で弁護士業務を開始。
これまでのキャリアは、刑事事件と離婚を中心とする業務が中心で、業務をしていく中で、現在の刑罰システムが弱者いじめであることや、日本における女性の不自由さを強く感じる。
弁護士以外に二級愛玩動物飼養管理士資格を保有。
私生活では猫と二人暮らし。爬虫類、虫など生き物全般が好き。
<札幌訴訟第1回口頭弁論期日の感想>
入廷行動を行って法廷に入った際、いよいよ始まったか!!という高揚感がありました。
また、多数の方が裁判傍聴や報告会に来てくださり、期待してくださっている方が多いことも感じました。
それだけに、原告の陳述だけでなく代理人による書面の要旨の告知すら認めない裁判長の訴訟指揮には疑問を通り越して怒りを覚えます。
今後、原告のおふたりが、絶対に法廷でこれまでの思いを語る機会を設けられるよう尽力します。
また、当然のことながら「勝ち」に行きます!!
弁護士 寺林 智栄
■ 原告の感想 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
人生で初めて法廷に入り、裁判というものを経験しました。
今回原告の意見陳述が認められないどころか、代理人である弁護士の陳述も認められず、驚いたと同時にがっかりしました。
傍聴に来て頂いた方ならご存知の通り、本人尋問はしっかりと行われるみたいなので、私たちの思いを直接伝えたいと思っています。
原告(札幌)西 清孝
札幌初回期日ということで、どのくらいのかたが傍聴に来てくれるか心配でしたが、予想より多くの方に来てもらえ、ほぼ満席で非常に心強かったです!
お忙しい中みなさんありがとうございました!
始まってすぐに、意見陳述を巡って裁判長とのやりとりがありました。
私たち原告が話さないなら、何のためにここにいるんだろう、座ってるだけなんて、と思いながらも野口弁護士退廷になっちゃう…?とドキドキしていました。
みなさんは何が起きているのか分からなかっただろうし、そもそもやりとり聞こえてましたか?
私たちでさえ裁判長の声小さめだなと感じていたので。
報告会では上記のやりとりの詳しい説明があったり中々ボリューミーで、時間が少しおしてしまいました。
次回の報告会後はお時間あると思うので、来てくださった皆さんお一人お一人とゆっくり話せると良いなと思っています。
是非次回も傍聴と報告会に足を運んでもらえると嬉しいので、引き続きよろしくお願いします!!
原告(札幌)佐藤 万奈
■ 東京地裁・第3回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
次回期日は来年です。ぜひ傍聴に足をお運びください。
日時:2025年1月16日(木)11時~
場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷です)
■ 札幌地裁・第2回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
札幌も次回期日は来年です。
雪景色の札幌に、ぜひ足をお運びください。
日時:2025年1月31日(金)10時30分~
場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷です)
■ 東京地裁・第2回期日報告会動画 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
2024年9月20日に行われた、東京地裁・第2回期日の報告会動画を編集しました。
こちらからご覧いただき、いいね!や拡散をお願いします。
■ 支える会の連載公開中━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・
別姓訴訟を支える会では、「全国保険医団体連合会」という、主に医師向けの業界紙に連載を持っています。
原則、会員のみの限定公開なのですが、連載部分を公開にしてくれましたので、ぜひご覧ください!!
■ クラウドファンディングに引き続きご協力ください!! ━━━━━━━━━━・・・・・・
「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングはおかげさまでファーストゴールを達成しました!
とはいえ、長い裁判期間、報告会の配信を継続し、イベント実施なども考えておりますので、引き続きご協力いただければ幸いです。
訴訟中はいつでもご寄付いただけますので、よろしくお願いいたします。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000131