☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第45号 2020年11月24日

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会事務局です。

10月に早稲田大学の棚村研究所と選択的夫婦別姓・全国陳情アクションが合同で行った
「47都道府県『選択的夫婦別姓』意識調査」の結果が発表され、11月18日に記者発表が行われました。

調査結果には、第2次別姓訴訟の関係者から、弁護団長の榊原富士子先生、弁護団の野口敏彦先生、広島原告の恩地いづみさん、立川支部原告の山崎精一さん、
支える会副代表で第1次別姓訴訟原告の小国香織さんがコメントを寄せ、当日は榊原先生がオンラインで、恩地さん、山崎さん、小国さんは会場で登壇しました。

今号では登壇された3人から、当日のコメント要旨や感想を執筆いただきましたので、紹介いたします。

☆当日の配信録画

☆47都道府県「選択的夫婦別姓」意識調査の結果

選択的夫婦別姓・全国陳情アクショ...
20〜50代の7割が賛成!47都道府県「選択的夫婦別姓」全国意識調査の概要 選択的夫婦別姓・全国陳情アクションでは、2020年の11月22日・いい夫婦の日に合わせ、早稲田大学法学部・棚村政行研究室との合同調査として47都道府県「選択的夫婦別姓」意...

【広島原告 恩地いづみさん】

記者発表に参加しました。

・結婚当事者になる確率の高い世代の7割賛成、は裁判の追い風になる。

・自由記入で反対意見の上位3位に、
(1)同姓に一体感やけじめを感じる
(2)伝統・文化である
(3)子どもが困る
があがっているが、これらには不安を緩和するための材料は揃ってきている。

・今国会で「選択的夫婦別姓」は国会流行語大賞をあげたいくらい頻繁に質疑で取り上げられている。もう法改正に進んで欲しい!

といったことをコメントしました。

別姓家族の子どもや、結婚は未だの若い人などいろんな声があげられて、別姓を求めるのは大きな流れになっていることを可視化できました。
「いいふうふの日」11/22に向けての企画だったのですけれど、18日に大きな話題になっちゃいました(^_^;

前夜と当日朝にTBSとNHKニュースで報じられTwitterでトレンド入りするなど効果的なアピールでした。
その分、反対派を刺激しているので気をつけて丁寧に対応していかないといけないと思います。

【支える会副代表・第1次別姓訴訟原告 小国香織さん】

今回の調査では「夫婦の同姓・別姓を選べる」ことについて、回答者が自分が同姓を選択するか、他の夫婦が別姓を選ぶことについてどう思うか?
という問いを明確にしていました。

自分は同姓を選ぶけれど、他の人たちがどうしようが構わないのであれば、その人は「選択的夫婦別姓に賛成」ということになります。
その点から賛成の人は全国で概ね7割前後となり、テレビのテロップでその通りに出ていたのはインパクトがありました。

また、内閣府の調査では「夫婦は同姓にするべきだが通称で旧姓を使えるように法律を変えることは容認」という内容の選択肢がありますが、今回の調査でその肢はありません。
旧姓の通称使用は実際にしてみると煩雑です。
旧姓で仕事ができる行政書士という資格に恵まれている私の場合でも、戸籍名と併記の証明書を使わざるを得ず、屈辱感がついて回ったり、
二つの氏を場面により使い分ける必要があったりしますが、それは当事者でないとわからないものです。
しかしこの選択肢は、別姓の存在に違和感を持つ人が、実情を知らずに他人事として安易に選んでしまいがちな肢であるように思いますので、
今回の調査でその肢を設けなかったことは良かったと思います。

最近、この調査の報道と並行して、自民党の一部議員を中心に議連「『絆』を紡ぐ会」を立ち上げるという報道がありました。
野党のほとんどと与党でも公明党は賛成である中、あとは自民党の中の政治力学が焦点になると思います。
先日のアメリカ大統領選で、共和か民主かはほとんどの州では勝敗が決まっていて、一部の「スイングステート」の動向で全体の勝敗が決まると言われていましたが、
選択的夫婦別姓における自民党はまさにこのスイングステートなのかもしれません。

【立川支部原告 山崎精一さん】

多くの方が発言されるので、私は男性の視点にしぼって話をしました。

「今回の世論調査では別姓に賛成の男性は61.0%で女性は80.2%という結果でした。
別姓に反対の男性は21.2%で女性7.6%と約3倍の開きがあることが分かりました。
2017年の内閣府が行った世論調査では性別で大きな差異は見られない、とされていたのと比較して納得できる数字でした。

この調査結果から言えることは、男性に働き掛けを強め、少しでも反対を減らし、賛成率の男女差を縮めることが大切だということです。
そのためには結婚による改姓を自分の問題として考えてもらうことが必要です。
夫婦がお互いの名前を大事に、お互いに対等な人格として尊重し合うことが原点だと思います。」

与えられた時間をオーバーしてしまったので、言えなかったことを書きます。

私たちは皆に夫婦別姓にするように求めているわけではありません。
しかし、結婚に際してどちらが改姓するのか、結婚する相手と必ず話し合うことを全ての男性に求めたいと思います。
今の制度は男女が協議してどちらの姓にするか決めることを前提としているわけですから、これは無理の要求ではありません。
そうすれば男性も改姓を自分の問題として考えるようになると思います。

【関連リンクまとめ】

☆ニュース23

☆弁護士ドットコム

弁護士ドットコム
選択的夫婦別姓「賛成7割」、高齢男性に根強い「他の夫婦も同姓がいい」という価値観 - 弁護士ドットコム... 選択的夫婦別姓制度に賛成する人は70.6%——。早稲田大学の研究室と市民団体による合同調査の結果が11月18日、早稲田大学で発表された。選択的夫婦別姓をめぐっては1996年、...

☆FNN

☆abemaTV

あわせて読みたい

☆ポリタスTV

Periscope
津田大介 @tsuda 選択的夫婦別姓「賛成」7割|一部保守派自民党議員の反対で潰されてきた選択的夫婦別氏制度。同制度の現在地について選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局長の井田奈...

訴訟最新情報 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

1/27(水)夫婦別姓確認訴訟

◆場所:東京地裁 522号法廷
◆時間:11:30~

■ 夫婦の96%が「妻の改姓」をしている日本で、選択的夫婦別姓訴訟の原告たちが求めていること ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

支える会会員でライターの和久井香菜子さんが、第2次夫婦別姓訴訟の論点をわかりやすくまとめてくださっています。

あわせて読みたい

■ 担当者より ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

私も11/18の記者発表はお手伝いに行きました。
前日からTBSニュース23に取り上げられ、当日はNHKニュースにも流れて、「選択的夫婦別姓」が一時トレンドワード第1位に!
時代って変わるんだ!っていうか私たちの活動が変えているんだ!と少しずつ前進を感じるこの数日です。

当日は早稲田大学・棚村政行教授と立命館大学・二宮周平教授がそろって登壇してくださいました。
みなさんご存じですか?家族法の世界では「東の棚村、西の二宮」と呼ばれるほどの権威です。
東西の二大巨塔が、学会でもない席に一緒におられるのです。
家族法をかじった者としては胸が熱くなる光景でした。

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