☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第122号  2024年12月28日

みなさんこんにちは。
別姓訴訟を支える会事務局です。

今回は、別姓訴訟を支える会メンバーのクリフジさんより「海外リーガル婚」について寄稿してもらいました。
全2回でお届けします。

■ 【第1回】改姓したくない!でも法律婚はしたい!
そんなあなたに「海外リーガル婚」のすすめ ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・ 

会員のクリフジです。
このほどアメリカ合衆国ハワイ州で海外リーガル婚をしました。
「海外リーガル婚」とは「外国でその国の方式で婚姻を届け出ること」で、その婚姻は日本でも法的に有効です。
日本以外の国では婚姻時にカップルの同姓を強制されませんので、私たちの場合も別姓のままでサクッと法律婚をすることができました。

「でも、ハワイ州で婚姻を届け出ても日本では認められないのでは?」

そんな疑問の声が聞こえてきそうですね。
いえいえ、ご心配なく。

2021年4月21日に東京地裁が理由中の判断として「海外でその国の婚姻の方式に従い挙行した婚姻は、日本の民法上の実質的要件を満たす限り有効」と述べた判決が確定しています。
これは想田和弘・柏木規与子夫妻が原告となった「確認訴訟」(第2次別姓訴訟のひとつ)と呼ばれるものです。
原告の「海外で挙行した婚姻が日本の戸籍に反映されないのが不服である」という申し立ては訴えを退けられましたが、それでも「海外で挙行した婚姻が日本でも有効」という判決が出たのは「画期的!」というべきことなのです。
(その割には、報道はと~っても地味でした。たぶん記者たちはこの判決の意味するところがよく分かっていなかったのかも)
ともあれ、想田さん、柏木さん、本当にありがとう!

この判決で「改姓はしたくない!でも法律婚はしたい!」という私たちのようなカップルには「海外でリーガル婚をして、別姓のまま法律婚をする」という途が開かれました。
もちろん、海外で法的に婚姻をしても日本の戸籍に反映させるためには婚姻の報告的届出をして夫婦どちらかが改姓しなくてはなりません。

が、海外リーガル婚をしてその国の結婚証明書を取得したうえで日本での婚姻届の提出の際は「夫婦の氏」の欄を両方にチェックを入れて役所に提出すると「受領拒否」となるので、その旨を記した書類をもらっておけば「手続きは遅滞なく行ったが受領を拒否された」(=こちらはやるべき事をやった。受領しないのは役所の都合)ということになります。
これで「法律婚は成立しているが、日本の戸籍には反映されないので事実婚状態のように見える状態」ということになり、別姓での法律婚が実現するのです。
(日本での婚姻届が「受領拒否」となり、提出ができない状態でも過料の対象にはなりません)

改めて言うまでも無く、これは選択的夫婦別姓の法改正が実現するまでの「つなぎ」というか、「暫定的」なセコい手段です。
でも、私たちのような還暦も過ぎたカップルの場合、相続や医療同意などの諸問題もそろそろ視野に入ってきているので「法的な家族になること」は喫緊の課題です。
選択的夫婦別姓に肯定的だった石破さんも、いざ首相になってみたら「党内の反対を押し切ることはしない」とあっさり腰砕け。
「ていねいな議論」(クリフジ訳:「際限のない引き延ばし」)を続ける姿勢のようなので、「え~い、もう待ってられるかい!」と業を煮やして海外リーガル婚を決行したという次第です。

さて、ここからは海外リーガル婚について具体的に解説していきたいと思いますが、想定される質問がいくつかあると思いますので、問答形式でお答えしていきます。

(1)「なぜ、ハワイ州なの?」

先にも述べましたが、現在婚姻において夫婦の同姓を強制している国は日本だけです。
したがって、日本以外の国ならどこの国でも別姓での法律婚は可能ですが、国によっては婚姻するためには一定期間その国内に留まることを求められたり(例えば、北欧などでは1ヶ月近く滞在しなくてはならない場合も)、諸々の条件を付けられる可能性があります。

しかし、アメリカ合衆国ハワイ州の場合、滞在期間に制限はなく、事前にWebで結婚証明書のオンライン申請をしておけば、あとは当事者が2人で保健省(Department of Health)に出頭するだけで証明書を発行してもらえます。
また、アメリカ本土に比べて日本からの飛行時間が短いことや直行便のフライトが多いことも選択の理由です。

(2)Webでの結婚証明書のオンライン申請は難しくないの?」

申請書は全文英語なので、英語が全く読めない人にはハードルが高いかもしれません。
が、そんなに難しいことは書いていないので、辞書や翻訳機能を使えば、意味は分かると思います。
記入する内容は、自分と相手の氏名や生年月日、住所、親の氏名や出生地などですので、それほど難しいものではありません。

(3)「結婚証明書申請はどうすればいいの?」

ここからはパソコンの画面でハワイ州保健省(Hawaii State Department of Health)のWebサイトhttps://health.hawaii.gov/ を閲覧しながらお読みいただくと、分かりやすいかと思います。

トップページを開いたら、右端カラム一番上にある「Get Vital Records of Birth, Marriage & More」をクリックしてください。

1)次画面で「Make your selection below:」の一番上の真ん中にある「Apply for a Marriage or Civil Union License and schedule an Appointment」をクリック。

2)次画面で「How to Apply for a Marriage or Civil Union License」の下にある「click here」をクリックしてください。

3)次の画面の一番下にある「Start Application」をクリックします。

4)次の画面では「Marriage」か「Civil Union」を選択するようになっていますので、「Marriage」を選択してください。
(ちなみに、ハワイ州では同性婚も可能なので同性カップルの場合も「Marriage」を選べます。「Civil Union」は直訳すると「市民連合」で、「婚姻ではないが同等の法的立場が保障される関係」です)
その後、画面の一番下にある「Continue」をクリックすると申請フォームが開きます。

5)申請フォームには当事者2人の氏名や生年月日、出生地などを記入します。
記入したら、画面の一番下にある「Save & Continue」をクリックして、次の画面に進み、さらに記入を続けます。

6)記入が全て完了したら、内容確認の画面になるので、間違いがないかをチェックします。
この時に手数料$65をクレジットカードで支払います。
この申請書を提出して30日以内にハワイ州保健省に当事者2人が出頭します。
もし、30日以内に出頭できなかった場合、手数料の$65は没収され、改めて最初から申請をやり直すことになりますので、オンライン申請は渡航日が決まってからにした方がいいでしょう。

★日本での事前準備はここまで。

あとは現地での手続きとなりますが、この先は次の回にしたいと思います。主な内容は以下の通りです。

(4)「ハワイ渡航後の手続きはどうやるの?」
(5)「ハワイリーガル婚のモデルプランを作るとしたら?」

そのほか渡航に関する便利情報あれこれ。
どうぞお楽しみに!

■ 東京地裁・第3回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

ぜひ傍聴に足をお運びください。

日時:2025年1月16日(木)11時~

場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷です)

12時から期日報告会を実施予定です。
詳細は改めてお知らせします。

■ 札幌地裁・第2回期日のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

雪景色の札幌に、ぜひ足をお運びください。

日時:2025年1月31日(金)10時30分~

場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷です)

期日報告会を実施予定です。
詳細は改めてお知らせします。

■ 東京地裁・第2回期日報告会動画 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・

2024年9月20日に行われた、東京地裁・第2回期日の報告会動画を編集しました。
こちらからご覧いただき、いいね!や拡散をお願いします。

原告西さん自ら作ったダイジェスト動画も大人気配信中です!

■ 支える会の連載公開中━━━━━━━━━━━━━━・・・・・・ 

別姓訴訟を支える会では、「全国保険医団体連合会」という、主に医師向けの業界紙に連載を持っています。
原則、会員のみの限定公開なのですが、現在、連載部分を公開してくれていますので、ぜひご覧ください!!

■ クラウドファンディングに引き続きご協力ください!! ━━━━━━━━━━・・・・・・ 

「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングはおかげさまでファーストゴールを達成しました!
とはいえ、長い裁判期間、報告会の配信を継続し、イベント実施なども考えておりますので、引き続きご協力いただければ幸いです。
訴訟中はいつでもご寄付いただけますので、よろしくお願いいたします。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000131

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