☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第53号  2021年6月28日

メールマガジン

■ 2021年6月23日最高裁大法廷決定を受けて ━━━━━━・・・・・・

2021年6月28日
第2次夫婦別姓訴訟弁護団
頁数は令和2年(ク)第102号裁判所サイト登載の決定による)

はじめに

2018年の申立て以来、たくさんの方々から応援いただきありがとうございました。棄却の結論は大変残念でしたが、最高裁では、申立人らの思いに共感してくださる裁判官に出会えたことは幸いでした。多数の事件を同時に進行させるのは大変ではありましたが、2015年12月16日の夫婦別姓に関する最高裁判所大法廷判決(以下、「15年判決」)の経験から、3人に1人は違憲意見の裁判官がいるはずと信じて複数の申立てをし、最高裁のどの部にも事件が係属したのは成功でした。

また、15年判決から5年半しか経ていないのに、稀にしか開かれない大法廷での2度目の審理がなされ、さらに多くの人にこの問題が日本の重要課題の1つであることを知ってもらえたことも、皆さんの応援の成果だと思います。実際、決定が出るとの連絡を受けた後、申立人らや弁護団には、多くのマスコミから問い合わせや取材の依頼が殺到し、当日も、多数のマスコミが最高裁前に駆けつけて、決定を待ち受けるという熱気に、包まれていました。

15人の裁判官のうち、違憲意見は4人、うち「受理せよ」の結論を認めたのが3人、合憲意見は11人、うち「国会で真摯な議論を」として15年判決よりさらに強く立法を促す補足意見を出したのが3人です。違憲のみでなく「受理せよ」という結論まで得られることは容易ではないと理解していましたので、反対意見がそこまで認容し、その場合の戸籍法改正実現までの戸籍事務の処理方法についてまでていねいに言及されたことも、大きな成果でした。この先に違憲の判断が出たときの道標になります。

多数意見(合憲)の理由はたった2頁(実質1頁)で、著しく内容は薄いです。何も書かないことは、将来の変更への布石といった評もみられましたが、15年判決がこれだけ学者らからも批判を受けてきて、それを跳ね返す説得力ある合憲理由は書けなかったという印象も持ちます。あるいは、2015年からまだ5年しか経ていないので最高裁が結論を変更するには早すぎる(最高裁判例の重みを損なう)として、合憲の結論ありきで裁判記録(主張や証拠)をきちんと読まなかった裁判官もおられたのではとさえ感じてしまいます。

補足意見(合憲)はその理由を述べていますが(4頁半)、15年判決の枠組みを死守しつつ、15年判決の「制度優先思考」にのりすぎて、法律婚を「法制度のパッケージ」と安易な表現をしてしまうなど、その人権感覚に大いなる疑問を感じます。氏名や婚姻は、制度以前に存在し、人が生きる上で必要な根源的な価値であり、制度化する場合にも人権や人格的利益を侵害することなく構築されるべきもの、という15年判決に寄せられた厳しい批判に何ら答えていません。

合憲意見に比し、違憲意見は、43頁分に及ぶ長いもので、ていねいで圧倒的な説得力をもち、個性が豊かです。申立人の主張や学者の評釈などのみにとらわれず、時間をかけて検討し論述されたことがわかります。結論とは逆に、この決定のほとんどの頁は違憲意見がしめています。

また、違憲意見は、15年判決以降の事情の変更を根拠として憲法24条違反と判断する(15年判決を是認した上で判断を変更する方法)に至ったのではなく,そもそも15年判決の判断枠組みに誤りがあることを丁寧に論破・修正するという方法で違憲論を展開したことも秀逸です。

この5年間で、社会は選択的夫婦別姓を望み容認し、女性活躍を推進する方向に急激に動いてきたのに、最高裁の女性裁判官は3人から2人に減り、違憲意見は5人から4人に1人減りました。私たちが違憲の決定を得られなかった理由は、まだまだ別姓を望みあるいは容認する声が小さいからとか、氏名を自己のアイデンティティととらえる人権意識が国民の間で低いからなどではなく、最高裁判所の裁判官の人権感覚や人事・ジェンダーバランスが大きな理由であることを多くの人は知っています。

世界経済フォーラムによる男女格差を測るジェンダーギャップ指数について、2021年の日本のそれは156か国中120位、先進国の中で最低レベルです。別姓を認めない唯一の国となってしまっても国会は動かず久しく、何度国連から改正勧告をうけても耳を塞いでいること、最高裁の女性裁判官が極端に少ないことは、いずれも120位という汚名を象徴するできごとです。

第2次訴訟の国賠請求事件3つの判決をいただくのはまだこれからですが(2020年暮れに上告しました)、次の訴訟の原告となりたい、何か応援をしたいという声がたくさん届いています。何度でも裁判は続き、必ず多数意見が違憲となる日がくると確信しています。

以下、決定がわかりにくい、難しいという声も寄せられているので、少し長くなりますが、弁護団としての解説と見解を述べさせていただきます。

<続きは別姓訴訟を支える会ウェブサイトでご覧ください。>
https://bessei.net/commentary_20210628/

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