☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第61号  2021年8月18日

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会事務局です。

前号に引き続き、6月23日に出された最高裁大法廷の決定について、別姓訴訟を支える会関係者全員のコメントを掲載します。今号は原告のうち、3名のコメントをご紹介します。

ガラパゴスから脱出して「変われる」日本へ

正直なところ、たぶん無理ではないかとは思いつつ、弁護団の皆様の奮闘に励まされて一縷の望みをつないでおりましたので、あの2015年のコピペのような多数意見には本当にがっかりしました。

かつては多くの国々が夫婦同氏制を採用しており、しかも必ず夫の氏という国も珍しくなかったわけですが、この半世紀の間に世界は急速に変わりました。ところが日本だけが取り残され、今や日本の家族法はまさしくガラパゴスの法律になってしまいました。夫婦別姓訴訟は日本がガラパゴスを脱出し、変われる国になるための絶好の機会だったのに、残念です。

しかし、2015年と現在を比較すると、夫婦別姓がメディアに取り上げられる機会は格段に増加し、世論も大幅に変化しています。夫婦別姓がついにアジェンダとして認知されたのです。これは今回の訴訟の成果として、私たち全員が誇りに思って良いことではないでしょうか。

原告 大山 礼子

自己紹介しま~す!

「第2次別姓訴訟、大法廷に回付されず小法廷で棄却された方の原告、恩地です。」

2021年6月24日に出された一枚のA4用紙に書かれた主文と理由からなる棄却の決定。理由には「その余の(憲法24条以外の)論旨は、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反を主張するもの、又はその前提を欠くものであって、特別抗告の事由に該当しない。一小法廷裁判長 木澤克之裁判官」とある。

前日に東京の3組の方たちに出た大法廷の決定にあった5ページほどの多数意見の補足意見も、長大で詳細で心をこめて違憲であると結論づけた43ページの反論部分もない無味乾燥な一枚。そうか、事実婚でなんとか保持している生まれたときからの私の「なまえ」は単なる法令違反にすぎないとこの国に言われたのか。

けれども、私は知っている。
私のなまえは、世界からも未来からも認められている私の権利。
近い未来、この、自分の名を名乗り続ける権利はこの国も認めるようになる。
人権を理解しない選択的夫婦別姓否定派はその時一斉に口をつぐむだろう。

その時まで、このすごくいじけた感じの、でもちょっと気に入った自己紹介、チクチクと嫌みったらしく使うことにしよう。
あ?、我ながら性格悪いような気がするけど。

原告 恩地 いづみ

胸がすく想いの反対意見

立川支部での国家賠償請求訴訟の原告の山崎精一です。
私たち夫婦は婚姻届けを出していないので、今回の家事審判の原告ではありませんでした。

私は昨年の12月19日に最高裁に陳述書を提出し、その最後で次のように訴えていました。
「最高裁の判事の皆さまにおかれましては、前回の2015年12月の最高裁判決のすぐ後に女性差別撤廃委員会の第三回の勧告が出されたことを重く受け止めていただきたいと思います。国際社会に対しても通用するような判断をお願いします。」

6月23日の大法廷決定に当たってはこの点についてどういう判断が出るのか注目していました。しかし、多数意見は女子差別撤廃条約については一言も触れませんでした。

これに対して宮崎・宇賀裁判官の反対意見は胸のすくような判断を示してくれました。
私は次の主張に特に感銘を受け、勇気づけられました。

・「立法府は、女子差別撤廃条約についても、法的拘束力がある文言で規定されている限り、同条約が定める義務に違反する法律を改廃し、義務に反する新規立法を回避し、もって同条約を誠実に遵守する義務がある。」

・「我が国が女子差別撤廃条約に基づいて夫婦同氏制の法改正を要請する3度目の正式勧告を平成8年に受けたという事実は
夫婦同氏制が国会の立法裁量を超えるものであること」「を基礎づける有力な根拠の一つとなり、憲法24条2項違反とする理由の一つとなると考えられる。」

・「裁判所においては、女子差別撤廃条約に締結国に対する法的拘束力があることを踏まえて、この事実を本件の判断において考慮すべきである。」

私たちの国家賠償請求訴訟に対する最高裁判断に当たり、この宮崎・宇賀意見が多数意見となることを期待しています。

原告 山崎 精一

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