☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第59号  2021年8月4日

メールマガジン

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会事務局です。

前号に引き続き、6月23日に出された最高裁大法廷の決定について、別姓訴訟を支える会の関係者全員のコメントを掲載します。今号は弁護団より、山崎新さん、溝田紘子さん、渕上陽子さんのコメントをご紹介します

あきらめない力を感じて

信じられない・・・。

決定を見た時の私の第一印象です。
一体何を守ろうとして、何を考えての請求棄却なのか。
司法はここまで市民の感覚とかけ離れたところにいる。
もはや司法に期待できない。
同じ法律家として失望したことは事実です。

 

2015年の大法廷では、直前に再婚禁止期間の違憲判決が出たのに、夫婦別姓は期待を裏切られました。
それでも多くの方が諦めずに声を上げ続けて活動し、この6年で国内外ともに議論は熟した、これなら最高裁も大法廷判決を覆す決定を出せると感じていただけに、今回の決定は本当に信じられません。

ただ、決定直後からの報道や市民からの批判や反発の声の大きなうねり、すぐさま次の運動につなげようという声が上がったこと、これは2015年のときとは明らかに違っています。何年経っても諦めない、一人一人の思いの強さを感じます。
私にできることはわずかなのですが、いつか法律が改正されるまで、皆さんに励まされながら私も諦めない気持ちで臨みたいです。

弁護士 山崎 新

いつか違憲判断が出ること

私が初めて別姓訴訟を知ったのは学生の頃でした。
法学部の授業で勉強した憲法判例の一つが、第一次別姓訴訟の合憲判決です。

当時、授業の担当教授が、「いつか違憲判断が出る」「法曹界の未来を担う君たちにこそ議論をしてほしい」と言っていたことを今でも覚えています。
私を含め、議論に参加した学生の殆どが、「いつか違憲判断が出る」ことを信じて疑うことはなかったと思います。

しかし、今回も違憲判断がなされることはありませんでした。

結婚することが、極めて人間的で、人格の本質にかかわる事柄であることは、誰にだってわかります。
立法府との関係で、司法審査が難しい?それでも、重要な権利利益を実現できない人がいる事実を無視してよいことにはならないはずです。
憲法とは、司法とは、少数者の権利を守るべきものではなかったのでしょうか。

学生の頃の私も、弁護士となった私も、やはり今回の判断には納得できません。
「いつか」はいつになるのでしょう。

現在、色々な場所で、様々なかたちで、選択的夫婦別姓の話を耳にします。
皆さんが興味を持ってくださっていることを有難く思うとともに、皆さんにとって重要な権利利益の問題であることを改めて実感いたします。

「いつか」ではなく、なるべく早く、夫婦別姓が実現されるよう尽力いたします。

弁護士 溝田 紘子

社会の変化に勇気を得て、前に進もう

結婚してすぐ、地方に住む夫の両親から「うちの嫁です」と周囲に紹介されて回ったとき、娘が生まれてどんな名前にしようか夢いっぱいの最中に「結婚したら姓が変わるんだから、姓と名のバランスは気にしなくていいんじゃない?」などと言われたとき、地方で弁護士をしていた10年の間に出会った何人もの若い女性が「私は○○家の嫁」「夫に婿に入ってもらった」などと普通に発言しているのを耳にしたとき・・・ これは何とかせねば、せめて子どもたちが結婚するときまでには選択的夫婦別姓を実現したいと決意し、第1次訴訟から参加しています。

2015年12月の大法廷判決の後、5人の裁判官の違憲判決を心の拠り所として第2次訴訟弁護団にも参加させていただきました。
今回の大法廷決定は、甲府の裁判所からの帰り道に知り、そこからは放心状態でした。
民法750条の違憲性について実質的な検討をしておらず、結論云々以前に「本当に最高裁の裁判官たちですか?」と開いた口が塞がりませんでした。
それに対し、反対意見を出された4名の裁判官は、これも結論云々とは関係なく、法曹としてあるべき検討をされていました。

第2次訴訟弁護団では、立法経緯、事情変更について分担させていただいたのですが、身近なところでも、2015年大法廷判決以降の大きな変化を感じます。
娘は、保守的なカトリックの女子校に小学校からお世話になっていますが、大法廷判決の後、テレビで偶々私が弁護団にいることを知った担任の先生が、娘をクラスの前に呼び、「渕上さんのお母様が、夫婦別姓を実現できるよう、弁護士として頑張っています!」と仰り、小学生相手に選択的夫婦別姓についての内容を説明してくださったそうです。
娘は喜んで報告してくれ、私も胸が熱くなりました。

息子が通う男子校(現在中2)では、1学期まるまる使って社会でジェンダー論を扱いました。
先生渾身の作であるテキストに私は泣きました。
ちなみに、夫婦別姓についても、賛成派、反対派に分かれてディベートをしたそうです。
また、私は法教育委員会で副委員長を務めておりますが、ここ最近ジェンダーの授業要請が増えたと感じます。
他の出張授業でも、様々な問題を紹介することがありますが、夫婦別姓問題について話題を振ると、特に高校生は皆よく知っていて前のめりになって聞いてくれます。
このことは、私以外のメンバーからも耳にしているところです。

先日の大法廷決定での反対意見と補足意見、マスコミ報道や世論を踏まえると、国会も動かざるを得ないでしょう。
実現の日まで、私は近いと信じます。これからも頑張りましょう。

弁護士 渕上 陽子

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