☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第80号  2022年06月12日

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。

前号に続き「第2次別姓訴訟を振り返って」をテーマに、別姓訴訟を支える会関係者のコメントを掲載します。

今回は、飯岡久美弁護士、川尻恵理子弁護士のコメントをご紹介します

■「自分の氏名は自分が選択する」━━━━━━・・・・・・

原告さんが広島在住であったご縁で、第二次訴訟に参加させていただき、婚姻による改氏を望まない皆さんとそのご家族の様々な思いに少しでも触れることができました。物でも概念でも、名前がつくことで、存在が明確にもなり、名前がその内容を表すようにもなります。人が、その氏名を名乗ったり、呼ばれたりしながら、人生を歩んでいくと、個性や経歴、関わった人たちの記憶といったものと、氏名が分かちがたく結びついて、その人の尊厳を形作っていくように思います。だからこそ、氏名を変えるのか、変えないのかは、その人だけが選択権を持つべきことなのではないかと思いました。この選択権を奪うだけの根拠を第二次訴訟の判決は示していないと思います。婚姻により改姓するかしないかの選択が、何の圧力もなく、平等に、自由に選択できるようになるには、どうすれば良いのか、これからも考えていきます。

弁護士 飯岡 久美

■「ただいま実現まで9合目!」━━━━━━・・・・・・

当事者の皆様,支える会の皆様,長きにわたる第2次訴訟を本当にお疲れ様でした。全員野球で,戦い抜きましたね。

最高裁の決定を受け取る際には,小雨が降る中,最高裁の前に多数のマスメディアが集まり,違憲判断が出るのでは,という熱気に包まれていました。私も,そう信じていました。それだけに,合憲との結果には衝撃を受けました。

もっとも,決定書をよく読むと,合憲部分はたったの6頁で,大部分を占める43頁は,違憲との内容でした。いわば,表紙と「はしがき」だけは合憲で,中身は全部違憲の本のようです(看板に偽りあり!)。よって,この本のタイトルは,実は「現行制度は違憲です。」。

反対意見等を読んでいると,その力強く信念のこもった名文に勇気づけられます。私たちの思いを,言いたかったことを,全て受け止めて代弁してくれました。これが得られたというだけでも,価値ある戦いだったと思います。

選択的夫婦別姓制度は,戦後に現行民法が制定された当初からの導入課題でした。実に,今から75年前のことです。そこから少しずつ知名度を上げていき,今やメディアでも頻繁に取り上げられて,選挙でも争点の一つとなっています。先人たちとみんなの力で,ここまでたどり着きました。

これまでの道のりを振り返れば,今は実現まで9合目といったところでしょう。あと少しです。制度導入まで,多様な価値観が平等に尊重される社会まで,あとほんの少しです。歴史の転換点へのラストスパートは,もう始まっています。

弁護士 川尻 恵理子

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