☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第90号  2022年8月12日

別姓訴訟を支える会事務局です。

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。
前号に続き「第2次別姓訴訟を振り返って」をテーマに、別姓訴訟を支える会関係者のコメントを掲載します。

今回は、弁護士の芹澤眞澄さんのコメントをご紹介します。

■「第2次訴訟をふりかえって~その後の弁護士会の動きを中心に」━━━━━━・・・・・・

第2次訴訟の2021年6月の最高裁大法廷決定に対する社会の関心の高さは非常に大きく、その後も選択的夫婦別姓制度の導入についての市民社会の関心の高さは続いていると感じています。

上記決定直後の記者会見は、会場であった東京霞が関の弁護士会館5階の部屋にたくさんのマスコミ関係者が来られ、熱心な質疑がなされました。
会場での反応や雰囲気は、最高裁の出した結論に対する深い失望や疑問が多いように私には感じられ、その熱気は忘れがたいものとなりました。

私が確認した範囲にはなりますが、日弁連及び全国各地の弁護士会でも会長声明という形で、2021年6月25日の日弁連会長声明を皮切りに、2022年2月18日まで、全国25の弁護士会及び日弁連合計26会から、選択的夫婦別姓度の導入を求めるなどの趣旨の意見が表明されました。

弁護士法第1条は、1項で、弁護士は基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする、2項で、弁護士は前項の使命に基づき誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない、と定めており、特に、1項の基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命と2項後段の法律制度の改善につとめるという法の趣旨から、弁護士会員が所属する弁護士会の長として、第2次訴訟に対して出された最高裁の判断などを契機に意見を発信したということになると思います。

そして、日弁連は、会長声明に加えて、2021年8月19日付けで「選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書」をまとめて同月20日付けで内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)及び法務大臣宛てに提出しました。
弁護士法42条2項には「弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の事務その他司法事務に関して官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる」と書かれており、日弁連では建議等にあたる意見書等については理事会での承認を経て発出されています。

私は2021年度の理事として、上記意見書が承認された8月の理事会に出席しておりましたが、理事会では意見書を提出するだけではなく、さらに、日弁連として国会議員への要請等を行うべきではないか、との意見が複数の理事から出され、その意見を受けるなどして、2021年12月16日と同月17日に75人の日弁連理事による選択的夫婦別姓制度の導入を求める一斉国会要請が実施され、全国の弁護士会でも、2021年12月20日~2022年1月14日頃にかけて地元選出の国会議員あてに日弁連理事による要請行動が行なわれました。

私も日弁連理事の1人として上記要請活動を行い、折井純先生、川尻恵理子先生、山崎新先生ほかたくさんの弁護士が要請活動にご協力されました。

このように第2次訴訟の後には、日弁連や全国各地の弁護士会でも、選択的夫婦別姓制度の導入を求める動きが活発になされました。
今後、基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命に基づいて法律制度の改善に努める存在である弁護士として、選択的夫婦別姓制度の導入に向けて、自分自身も歩みを続けていくことになると思います。

弁護士 芹澤 眞澄

■第2次別姓訴訟に関する書籍出版のお知らせ━━━━━━・・・・・・

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