☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第91号  2022年8月18日

別姓訴訟を支える会事務局です。

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。
前号に続き「第2次別姓訴訟を振り返って」をテーマに、別姓訴訟を支える会関係者のコメントを掲載します。

今回は、支える会副代表の小国香織さん、事務局メンバーの夕月さんのコメントをご紹介します。

■「『旧姓使用の法制化』なんてまやかしを乗り越えて声をあげつづける!」━━━━━━・・・・・・

私は第1次の原告でした。
第1次訴訟の最高裁判決(2015年)で一番ガッカリしたのは「旧姓使用が広まれば苦痛は緩和される」と司法が現状を肯定する内容を判決文に載せ、裁判所が発する事がそんなことでいいのか!という内容で終わったことです。

それは通奏低音のように存在し続け、最高裁判決と前後して旧姓の「併記」を認めるという、当事者が本当には求めていない仕組みが税金をかけてあちこちで実現されました。
法務局での会社の役員の名前の登記上の名前、最高裁判事のお名前、住民登録とそれに連動するマイナンバーカード等々。

国や自治体が旧姓使用に金と手間暇かけた結果、別姓反対派が言う「旧姓が使えればいいだろう」に対するお墨付きを強めてしまっているようで歯がゆい思いがあります。

第2次訴訟に先んじて始まったサイボウズ青野社長の裁判は、民法は同姓の規則のままどちらかが改姓し、戸籍法により個人の意思で旧姓に戻せると言う考え方を念頭に展開されたようでした。
その中身がわかるや、本筋である民法での別姓を求める当事者としては違和感を禁じえず、それについてネットメディア記事を元国会議員の井戸まさえさんが書いて青野さんと対立したようになり別姓界隈がネット上で騒然となった時もありました。
日本でできる限界がそんな方式で、戸籍上の名前として自分の氏名が保証されるならまあそれでも仕方ないなと思ったり、でも日本の法制度が反対派に配慮するような政治的理由で二重構造になるのならなんと情けない国だろうと思ったりもしました。
この図式は、まるで皇室典範を変えたくないがために作られた天皇の生前退位の特別法のようです。

第1次は改姓して法律婚をした女性に重点がありましたが、第2次は原告全員が事実婚夫婦で、男女が改姓に対して等距離なのだというコンセプトだったと思います。
そして、第2次訴訟と並行して、社会では「すべての人に結婚の自由を」という課題が潮流となってきたと感じます。
今後、この闘いが司法で終わるのか政治の世界で終わるのかは全くわかりませんが、「自分の氏名はそのままで結婚したい」という、ささやかながら人生においてごくごく基本的な事が実現する国であって欲しいと思います。

支える会副代表 小国香織

■「世界から取り残される日本の未来は…」━━━━━━・・・・・・

約4年前、第2次訴訟の途中から事務局に加わりました。
当時はまだ今のように選択的夫婦別姓のことが話題に上っておらず、「何かお手伝いできないか」といてもたってもいられなくなったからです。

支える会のお手伝いを通して、これまで遠い世界だった法廷の現場、弁護団や原告の思いを知ることができました。
陳情アクションの活動などによる世論の盛り上がり、別姓を巡る政治的な思惑などに一喜一憂しながら、訴訟の経過を見守ってきました。

男尊女卑のままの司法や政治に対しては、ため息しかありません。
ガラパゴス化した日本は、経済的にもどんどん世界から取り残されているように感じます。

次は第3次訴訟。
声を上げ続けなければ未来はないと信じて。

事務局 夕月

■第2次別姓訴訟に関する書籍出版のお知らせ━━━━━━・・・・・・

弁護団渾身の書籍が出版されました!
ぜひネットや書店でお求め下さい。

「夫婦同姓・別姓を選べる社会へ ~わかりやすいQ&Aから訴訟の裏側まで~」
榊原富士子・寺原真希子編著(恒春閣)1980円
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4910899006/honnoinfo-22/

(Amazon紹介文を引用)
夫婦別姓訴訟の代理人弁護士らが夫婦同氏制をめぐる最新の議論や動向をやさしく解説する初の書籍。
豊富な統計、困っている当事者の声、通称使用の限界と混乱を示しつつ、訴訟戦略、最高裁の合憲・違憲意見の対比、今後の展望についても言及。
同姓・別姓を選べる社会に向けた必携の一冊!

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