☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第89号  2022年8月3日

別姓訴訟を支える会事務局です。

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。
前号に続き「第2次別姓訴訟を振り返って」をテーマに、別姓訴訟を支える会関係者のコメントを掲載します。

今回は、弁護士の早坂由起子さん、溝田紘子さんのコメントをご紹介します。

■「声をあげつづける!」━━━━━━・・・・・・

第2次訴訟、振り返ると、裁判所に落胆することは多かったですが、とても楽しく、本当に大きな意義のある活動をすることができた、と自負しています。

第2次訴訟を始めるとき、一番気になっていたのは、最高裁での判断が欲しい!
できれば大法廷での判断が欲しい!!!ということでした。

第1次訴訟での判断があるため、それを踏襲して、あっさり棄却、ないし却下、ということも十分あり得ました。
しかし、最高裁での大法廷への回付、違憲とする複数の意見を引き出せたことは、大きな一歩、大きな成果でした。

巨大な岩をずずずずずずず…、とみんなで動かした!という思いがしました。

声を上げてくださった原告の方たち、全国の支援者の方たち、一緒に訴訟を闘った弁護団のメンバー、みんなで作り上げた裁判でした。
ここまでありがとうございました。

振り返ると、第1次訴訟の東京地裁判決が出た年、私は弁護士1年目でした。
そこから、弁護士になってからの期間、ずっと、別姓訴訟にかかわってきました。今年で弁護士10年目を迎えています。(あっという間!)

いつまで闘いを続けなければいけないのか、と思う反面、声をあげつづけることで社会は確実に変わっている、裁判には社会を変える力がある、とも実感しています。

10年といっても、選択的夫婦別姓の長い闘いの歴史からしたらごく一部、あとひといきのところまで来ています。

めげずに、声をあげつづけます!
えいえいおー!

弁護士 早坂由起子

■「第3次訴訟も頑張ります」━━━━━━・・・・・・

私は、2次訴訟の途中から、弁護団に入団しました。
そのためか、今振り返ると、支援者の皆様・他の弁護団員と比べ、本訴訟の難しさについて理解が不十分だったように思います。
憲法を前提にすれば人権侵害が認められるはずであり、今回の判決こそは違憲判断がなされるはずと最高裁を信じて疑いませんでした。
今回の判決文を読んだときの最初の感情は、残念というよりは、驚いたという感情の方が近かったと思います(その後、落ち込んでいくことになるのですが…)。

世間の反応はどうかと、各種メディアやSNSを見てみると、今回の判決について色々な意見を確認することができました。

同判決を批判するもの・反対意見を支持するもの、選択的夫婦別姓に反対するもの等様々です。
世間の皆様が関心を寄せてくださること、当事者意識を持つ方が増えることには大変励まされます。

1次訴訟後、2次訴訟後と議論が盛り上がってきている様子は、裁判所も無視できません。
絶対に私達の助けになります。

今回の判決を受け、違憲判断を得ることの難しさはよくわかりました。
しかし、それを踏まえても、夫婦同氏の強制・同氏でなければ法律婚を選択できないことが、憲法に違反しないという判断には、やはり納得できません。
それは皆様も同じではないかと思います。

第3次訴訟も頑張ります。
一緒に盛り上げて参りましょう。

弁護士 溝田紘子

■第2次別姓訴訟に関する書籍出版のお知らせ━━━━━━・・・・・・

弁護団渾身の書籍が出版されました!
ぜひネットや書店でお求め下さい。

「夫婦同姓・別姓を選べる社会へ ~わかりやすいQ&Aから訴訟の裏側まで~」
榊原富士子・寺原真希子編著(恒春閣)1980円
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4910899006/honnoinfo-22/

(Amazon紹介文を引用)
夫婦別姓訴訟の代理人弁護士らが夫婦同氏制をめぐる最新の議論や動向をやさしく解説する初の書籍。
豊富な統計、困っている当事者の声、通称使用の限界と混乱を示しつつ、訴訟戦略、最高裁の合憲・違憲意見の対比、今後の展望についても言及。
同姓・別姓を選べる社会に向けた必携の一冊!

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