☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第77号  2022年05月19日

メールマガジン

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。
今回は、2022年3月の最高裁決定について、事務局より、弁護団に素朴な疑問をぶつけてみました。

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☆質問:なぜ今回は「判決」ではなく「決定」なのですか?2015年の第1次別姓訴訟は「判決」でした。

☆回答:最高裁判所は上告されてきた件について「民事訴訟法」という法律に照らし合わせて判断を下します。民事訴訟法312条に「上告の理由」という条文があります。どんな場合に上告ができるかということが書かれていて、最高裁判所は上告されてきた件についてこの中の1項と2項に当てはまるものがないかを見ます。

ちなみに1項は「上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。」、2項には「上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。」とあり、その後に事由の内容がいくつか書いてあります。
一方で同じ法律の317条2項に「上告の理由が明らかに312条1項2項に該当しない場合には、決定で、上告を棄却できる」とする規定があり、今回はこの条文に当てはまるということで「決定」で棄却となったと考えられます。
他に同じ法律の319条に「上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる」という規定があります。こちらは317条でいうような、上告理由が「明らかに該当しない」というほどではないけれど、上告を「理由がない」という程度で判断する場合には口頭弁論を経ないで「判決」で棄却をするという扱いです。

今回の場合、前回の2015年最高裁判所大法廷判決で一度合憲判断を出しているので、上告の理由が317条2項の「明らかに該当しない」という方にあたり、判決ではなく「決定」にしたものと思われます。

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☆質問:第2次別姓訴訟の国家賠償請求訴訟と家事審判はそれぞれ3件(東京本庁、東京立川支部、広島)、どれも同じ時期に開始されました。家事審判について最高裁判所大法廷の決定が出されたのが2021年6月。国家賠償請求訴訟の最高裁判所決定は2022年3月。なぜこれほどのタイムラグがあるのでしょう?

☆回答:最高裁への上告を行う場合、上告理由書等を定められた期限内に提出します。高裁はこれらの提出を待って、記録をチェックしたうえで、事件記録一式を最高裁に送ります。一般の事件でも記録送付に結構時間がかかります。本件は記録が膨大だからかもしれません。裁判所内部の詳細な事情については、残念ながら弁護団の方でも把握できていないのです。

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☆質問:違憲判断が勝ち取れない中、法改正を望む私たちは何をすべきでしょうか?

☆回答:個人の尊重とジェンダー平等を強く推進する意思のある仲間を増やしてほしいと思います。
「そろそろ本気で日本は変わらないとマズイ」と思っている方は非常に多いと思いますので、現在の社会や政治の状況をアップデートできるように活動することが大切です。

弁護団では第3次別姓訴訟を検討中ですので、引き続き応援してください。法改正を待ち望んでいる人が「ここにいる」と声を上げ、連携していきましょう!

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☆最後に事務局より、川尻恵理子弁護士の法廷での陳述を再度ご紹介します。

「私たちは、この訴訟に必ず勝ちます。なぜなら、それが世界の常識だからです。かつて、生存権が社会の常識となったように、プライバシー権が社会の常識となったように、どちらかが自分の氏を変えることなく結婚をすることができることが、やがてこの国の常識になります。

私たちの中には、法務省も含まれています。なぜなら、法務省は、既に平成 8 年に、選択的夫婦別姓制度を導入すべきであるとの結論に至っているからです。

また、私たちの中には、裁判官も含まれています。なぜなら、裁判官こそが、この社会を変える力を持っており、その判断によって、あるべき社会をもたらすことを、使命としているからです。

そうして、私たちは、新しい社会をもたらします。結婚をしたいと望むすべての人が結婚することができる、誰もが幸せな社会です。私たちは、その社会を導いた者たちとして、歴史に残ることとなるでしょう。」

 

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