☆別姓訴訟を支える会 メールマガジン☆第85号  2022年7月5日

メールマガジン

別姓訴訟を支える会事務局です。

みなさんこんにちは。別姓訴訟を支える会です。
引き続き「第2次別姓訴訟を振り返って」をテーマに、別姓訴訟を支える会関係者のコメントを掲載します。

今回は、竹下博將弁護士のコメントをご紹介します。

■「第3次訴訟が始まります」━━━━━━・・・・・・

【同氏にしなければ結婚できないことについて,裁判所はどう考えているのか】

1.第1次別姓訴訟において、最高裁判所(多数意見)は、民法750条について、
「婚姻の効力の1つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものであり、婚姻をすることについての直接の制約を定めたものではない」
と判断しました。

これは、同氏にすることは婚姻の要件ではない(婚姻するために同氏を強制しているわけではない)、と言っているようなものです。

2.そこで第2次別姓訴訟においては、戸籍法74条1号についても問題にしました。

同号は、民法750条を受け、婚姻の要件である婚姻届に「夫婦が称する氏」を記載しなければならないと定めているからです。

第2次別姓訴訟において、最高裁判所(多数意見)は、この点について沈黙しましたが、補足意見は、
「本件各規定は、夫婦同氏とすることを婚姻の要件としており、婚姻に制約を加えるものということもできる。
しかしながら、…上記の制約は、婚姻の効力から導かれた間接的な制約と評すべきものであって、婚姻をすること自体に直接向けられた制約ではない。
…これをもって、直ちに憲法24条1項の趣旨に沿わない制約を課したものと評価することはできない。」
と判断しました。

これは、同氏にすることは婚姻の要件である(婚姻するために同氏を強制している)ことは認めるが、
婚姻を制約するために同氏を強制しているわけではないので、憲法24条によって尊重されるべき「婚姻の自由」を制約しているとは言えない、ということです。

自己のアイデンティティを失う苦痛に苦しみ、別氏を選択して婚姻を諦めた(離婚を決意した)当事者にとって、「なるほど!」と思える説得力があるとはまったく思えません。

3.他方、夫婦別姓確認訴訟において、東京地方裁判所は、海外で婚姻を挙行した日本人夫婦について、通則法に基づき、
その婚姻が婚姻を挙行した国の法で定められた方式に従っていれば、別氏のままでも有効に婚姻が成立することを明らかにしました。

婚姻を制約するために同氏を強制しているわけではない以上、当然の結論とも言えます。

しかし、別氏のままでは、国は、婚姻したことを戸籍に記載しないという態度を明らかにしていますので、
婚姻したことを届け出ても、別氏のままでは、戸籍に婚姻したことが記載されないという状況が生じています。

このままでは、婚姻したことが証明できず、夫婦として保護されない危険性がありますし、
そもそも、婚姻しているのに、身分関係の登録簿である戸籍に記載できないことがあってよいはずがありません。

そこで、既報のとおり、別氏のままで届け出た報告的婚姻届の不受理について、まずは、役所が受理するよう求める不服申立を東京家裁に申し立てることとなりました。

ここから第3次別姓訴訟が始まります。

弁護士 竹下 博將

■オンラインイベント『第2次別姓訴訟を振り返る』を開催しました━━━━━━・・・・・・

7月3日、弁護団の解説や原告の想いを聞き、訴訟を総括するオンラインイベントを開きました。

第2次別姓訴訟と第3次別姓訴訟について弁護団から解説があり、第2次訴訟の原告らもそれぞれの思いを熱く語りました。
米国で別姓のまま結婚し、確認訴訟でその婚姻関係が日本でも有効と認められた映画監督の想田和弘さんと映画プロデューサーの柏木規与子さん夫妻も登壇。
千代田区に報告的婚姻届の受理を命じるよう東京家裁に申し立てるに当たり、
「(国賠訴訟は直球で、)ぼくたちは変化球を投げさせてもらっている。ゆさぶりをかけ、できるだけ大きな音を立てたい」と話しました。
夫妻は、署名サイト「Change.org」で署名活動を始めます。ぜひ拡散をお願いします。
https://www.change.org/kaigai-bessei

さらに今回のオンラインイベントの詳報について、第2次訴訟原告の一人、恩地いづみさん(広島)が今後、冊子化を予定しています。
パネリストの解説や発言は冊子で確認できるようになりますので、完成後にまたご報告いたします。

■第2次別姓訴訟に関する書籍出版のお知らせ━━━━━━・・・・・・

弁護団渾身の書籍が出版されました!
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